このページでは、その他の手技療法について簡単に解説します。十分ではないかもしれませんが、それによって、オステオパシーとの違いがおわかりになると思います。
あん摩は中国から伝えられたといわれ、漢字では「按摩」と書きます。按は「押す」、摩は「なでる」という意味です。
マッサージはヨーロッパから伝わったものです。
ともに筋肉をもみほぐすことが主体となる技術ですが、あん摩が体の中心から末端に向かって行うのに対し、マッサージはその逆に体の末端から中心に向かって行います。
指圧は日本の浪越徳次郎が創始したもので、筋肉を押圧することが主体の技術です。
筋肉に施術するという点で3つの技術は共通しており、現在日本には、「あん摩マッサージ指圧師」という国家資格があります。
*参考文献:『家庭医学館(ホーム・メディカ)』/小学館
アメリカのD.D.パーマーが創始者です。ギリシャ語で、カイロは「手」、プラクティックは「技術」という意味で、手を用い背骨を調整することが主体となる技術です。
背骨を調整するという点ではオステオパシーに近い部分もあり、創始者のD.D.パーマーは、オステオパシーの創始者A.T.スティルの患者であったか、彼の学校の生徒であったかもしれないという話もあります。
オステオパシーが、全身を考慮し様々な部位を施術するのに対して、カイロプラクティックは、「こことここだけやればよい」と、理論に基づきポイントを絞った施術をする傾向が強いように思われます。
現在、日本に国家資格はなく、アメリカには「ドクター・オブ・カイロプラクティック」という国家資格があります。
*参考文献:『マニュアル・メディスンの原理』/フィリップ・E・グリーンマン原著、大場弘監訳/エンタプライズ
大昔から世界の様々な地域で、手を使って骨や筋肉などを操作する療法が行われてきました(それらをまとめて「手技療法」と呼ぶことが多いです)。
そのうち、あん摩・マッサージ・指圧でもなく、柔道整復術(接骨院の先生による、脱臼修復などの技術です)でもない技術を、日本では「整体」と呼んできたようで、「○○整体」や「△△整体」と流派のようなものもあるようです。
つまり、明確に定義することが難しい技術なのですが、それでも一般的には、「体のゆがみを改善する技術」というイメージは根付いているように思えます。
日本に国家資格はありません。
これらから考えると、オステオパシーには以下のような特徴があるといえます。
・基礎医学、オステオパシー哲学・理論に基づいた施術である ・独自の技術体系がある ・様々な方法で、様々な部位への施術をする
なお、当サイトでオステオパシーのことを、「アメリカ生まれの整体」「オステオパシー(整体)」と表現しているのは、日本の現状では整体と呼ぶのがもっともイメージを伝えやすいからです。
(ちなみに大正時代に、オステオパシーをベースとした「山田式整體術講習緑」という本が出版されています。また、オステオパシーやカイロプラクティックが、英和辞典で「整体」と訳される場合もあります)
しかし、本当はやはりオステオパシーはオステオパシーで、独自の歴史・理論・技術を持っているのです。